源氏物語「宵過ぐるほどに 3/4」(夕顔)   問題

 光源氏は17歳。そのころ源氏は六条に住まっていた六条御息所という女性のもとに通っていた。その途中にある、病を得ている乳母の家を見舞っていたころ知り合った女性と親しい仲となった。この女を「夕顔」と呼び習わしている。夕顔と某院で過ごした夜、夕顔を嫉妬する美女の霊が現れる。頼りにしている惟光(これみつ)もいない。夕顔は正気を失っている。
 次は、その女性と別邸で過ごした時の出来事である。この女を「夕顔」と呼び習わしている。これを読んで後の問いに答えよ。


 (滝口ガ)紙燭持て参れり。(夕顔の侍女ノ)右近も動くべきさまにもあら aば、 (源氏ハ)@近き御几帳を引き寄せて、「なほ持て参れ」とのたまふ。例ならぬことにて、御前近くも Aえ参らぬつつましさに、長押にもえのぼらず。「なほ持て来や。 B所に従ひてこそ」とて、召し寄せて見たまへば、ただこの枕上に夢に見えつる b容貌したる女、面影に見えてふと消え失せぬ。昔物語などにこそかかることは聞け、といとめづらかに cむくつけけれど、まづ、この人いかになりぬるぞと思ほす心騒ぎに、身の上も知ら dたまはず添ひ臥して、「やや」と eおどろかしたまへど、ただ冷えに冷え入りて、息はとく絶えはてにけり。言はむ方なし。頼もしく Cいかにと言ひふれたまふべき人もなし、法師などをこそは Dかかる方の頼もしきものには思すべけれど。さこそ強がりたまへど、若き御心にて、 E言ふかひなくなりぬるを見たまふに、やる方なくて、つと抱きて、「あが君、生き出でたまへ、いと Fいみじき目な見せたまひそ」とのたまヘど、冷え入りにたれば、けはひもの疎くなりゆく。右近は、ただあなむつかしと思ひける心地みなさめて、泣きまどふさまいと fいみじ。南殿の鬼のなにがしの大臣おびやかしける例を思し出でて、心強く、「さりとも Gいたづらになりはてたまはじ。夜の声は gおどろおどろし。あなかま」と諫めたまひて、いとあわたたしきにあきれたる心地したまふ。

問1 a・dを文法の観点から説明しなさい。★
   b容貌の読み(和訓)をひらがなで記しなさい。★

問2 cむくつけけれ・eおどろかし・fいみじ・gあきれの意味を5字以内かつ言いきりの形で記しなさい。★

問3 @近き御几帳を引き寄せてとは、何の目的でそうするのか。★★★

問4 Aえ参らぬつつましさに・E言ふかひなくなりぬる・Fいみじき目な見せたまひそ・Gいたづらになりはてたまはじを口語訳しなさい。★★

問5 B所に従ひてこそ・Cいかにの後に補える語句をBは3字で、Cは2字で記しなさい。★★

問6 Dかかる方とは具体的にはどういうことか。★★★

問7 「源氏物語」の成立した時代・作者の名・作者が仕えた中宮とその父親の名を順に記しなさい。★


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