枕草子「古今の草子を(清涼殿の丑寅のすみの)」(二十三段)1/2  問題

 (中宮様ハ)古今の草子を御前に置かせ給ひて、歌どもの本を仰せられて、「 Aこれが末、いかに。」と問はせ給ふに、すべて、夜昼心にかかりておぼゆるもあるが、けぎよう申し出でられぬは、いかなるぞ。宰相の君ぞ十ばかり、それも Bおぼゆるかは。まいて、五つ、六つなどは、ただおぼえぬよしをぞ啓すべけれど、「さやは、 Cけにくく、仰せ言を映えなうもてなすべき。」と、わび、くちをしがるも、をかし。知ると申す人なきをば、やがてみな読み続けて、夾算せさせ給ふを、「これは、知りたることぞかし。などかう、つたなうはあるぞ。」と言ひ嘆く。中にも、古今あまた書き写しなどする人は、みなもおぼえ Dぬべきことぞかし。 [二十段]

問1 本文中の中宮を主語とした述語には、どのような共通点があるか。その共通点を具体的に説明せよ。★★

問2 Aこれが末、いかにを「これ」の指示内容を明らかにして現代語訳しなさい。★★

問3 Bおぼゆるかはを13〜18字で現代語訳しなさい。★★

問4 Cけにくくの意味を次から選びなさい。★
    ア 間延びして  イ そっけなく  ウ 中途半端に  エ 意地悪く

問5 Dぬべきの文法上の用法を説明しなさい。★★

問6 「枕草子」の作者名・ジャンル名・成立した時代・作者が仕えた主人の名(2字)を順に記しなさい。時代は、前・中・後期まで答えること。★

advanced Q. この文章には、女房たちの興奮した、はしゃいだ雰囲気が感じられ、中宮のそばにいて楽しく過ごす作者の気持ちがうかがわれる。そうした作者の気持ちをよく表す心情語を本文中から抜き出せ。



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枕草子「古今の草子を(清涼殿の丑寅のすみの)」(二十三段)1/2  exercise

 (中宮様ハ)@古今の草子を御前に置かせ給ひて、歌どもの本を仰せられて、 Aこれが末、いかにと問はせ給ふに、すべて、夜昼心にかかりておぼゆるもあるが、 aけぎよう申し出でられぬは、いかなるぞ。宰相の君ぞ十ばかり、 Bそれも Cおぼゆるかは。まいて、五つ、六つなどは、ただおぼえぬよしをぞ啓す bべけれど、さやは、 cけにくく、仰せ言を映えなうもてなす dべきと、わび、くちをしがるも、をかし。 D知ると申す人なきをば、やがてみな読み続けて、夾算せさせ給ふを、 Eこれは、知りたることぞかし。Fなどかう、つたなうはあるぞと言ひ嘆く。中にも、古今あまた書き写しなどする人は、みなもおぼえぬ eべきことぞかし。 [二十段]

問1 問題本文には会話文が三箇所あるが、いずれも会話記号が省略されている。

   (1)三つの会話を順に抜き出し、それぞれ初めと終わりの三字で、○○○〜○○○のように記しなさい。

   (2)その三つの会話の中に、一つの会話を二人の会話に分けることのできるものがある。その会話の初めの三字を抜き出せ。

問2 傍線部a・cは、どういう意味か。適当なものをそれぞれ次の中から選び、記号で答えよ。

     ア 立派に    イ そっけなく  ウ 中途半端に  エ 興味深く
     オ すらすらと  カ なんとなく  キ 意地悪く   ク 物知りげに

問3 傍線部bdeの助動詞は、どういう意味か。適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。

     ア 適当  イ 当然  ウ 可能  エ 義務  オ 予定  カ 命令

問4 @について、次の問いに答えよ。

   (1)「古今の草子」とは『古今和歌集』のことであるが、次の中から撰者でない人を二人選び、記号で答えよ。

      ア 凡河内躬恒  イ 藤原俊成  ウ 紀貫之
      エ 壬生忠岑   オ 清原元輔  カ 紀友則

   (2)「御前に置かせ給ひて」とあるが、その主語が中宮であるということが本文中のどの語でわかる か。該当する語を抜き出せ。

問5 A・B・Eの「これ」「それ」は、それぞれ何を、またはどういうことをさすか。それぞれ口語で答えよ。

問6 C・Fを10〜18字で現代語訳しなさい。

問7 Dについて、次の問いに答えよ。
   (1)「申す人なきをば」とあるが、「」の直前にどのような言葉が省略されているか。一語で答えよ。

   (2)「やがて」とは、どういう意味か。五字以内で答えよ。

問8 この文章には、女房たちの興奮した、はしゃいだ雰囲気が感じられ、中宮のそばにいて楽しく過ごす作者の気持ちがうかがわれる。そうした作者の気持ちをよく表す心情語を本文中から抜き出せ。

問9 「枕草子」のジャンル名・作者名・成立した時代・作者が仕えた主人の名(2字)を順に記しなさい。時代は、前・中・後期まで答えること。

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