「竹取物語」『ふじの山』(そののち、翁・嫗、血の涙を流して…)  問題



 そののち、翁・ a嫗、血の涙を流して惑へどかひなし。あの書きおきし文を讀みて聞かせけれど、「何せんにか命も惜しからん。誰が爲にか。何事もようもなし。」とて、藥もくはず、 bやがておきもあがらず病みふせり。
中將人々引き具して歸り參りて、かぐや姫を(  c  )え戰ひ留めずなりぬることこまごまと奏す。藥の壺に御文そへて參らす。ひろげて御覽じて、いといたくあはれがらせたまひて、物も dきこしめさず、御遊等などもなかりけり。大臣・ e上達部を召して、「 �@いづれの山か天に近き。」と問はせ給ふに、或人奏す、「駿河の國にある山なん、この都も近く、天も近く f侍る。」と g奏す。これをきかせ給ひて、
  �Aあふことも涙にうかぶわが身には死なぬくすりも何にかはせむ
かの奉る不死の藥の壺に、御文 �B具して御使に賜はす。勅使には調岩笠(つきのいはかさ)といふ人を召して、駿河の國にあなる山のいたゞきにもて行くべきよし仰せ給ふ。峰にてすべきやう教へさせたまふ。 �C御ふみ、不死の藥の壺ならべて、火をつけてもやすべきよし仰せ給ふ。そのよし承りて、つはものどもあまた �D具して山へ登りけるよりなん、その山をふしの山とは名づけゝる。その煙いまだ雲の中へたち昇るとぞ言ひ傳へたる。

問1 a嫗の読みと、bやがての意味を記しなさい。また、空欄のcは一字の呼応(陳述)の副詞となるが、それは何か。★★

問2 dきこしめさ・f侍る・g奏すの敬語の種類の名・意味・敬意の方向を、順に説明しなさい。★★

問3 �@いづれの山か天に近き。とあるが、帝が、できるだけ「天に近」い山で薬の壺を焼かせようとしたのはなぜだと思われるか。★

問4 �Aあふことも涙にうかぶわが身には死なぬくすりも何にかはせむで使われている修辞について説明しなさい。★

問5 �Bと�Dの具しの意味の違いを説明しなさい。★

問6 �C御ふみ、不死の藥の壺ならべて、火をつけてもやすべきよし仰せ給ふについて、帝がせっかくの不死の薬を焼いてしまおうとしたのか。簡潔に説明しなさい。★

問7 「ふじの山」という地名の起源について、ここではどうだとしているのか。二つ述べなさい。★

問8 問題本文は『竹取物語』の一節であるが、この作品のジャンル名、成立した時代、この作品を「物語の祖」と記した作品の名を順に記しなさい。★






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