(中宮様ハ)古今の草子を御前に置かせ給ひて、歌どもの本を仰せられて、「 Aこれが末、いかに。」と問はせ給ふに、すべて、夜昼心にかかりておぼゆるもあるが、けぎよう申し出でられぬは、いかなるぞ。宰相の君ぞ十ばかり、それも Bおぼゆるかは。まいて、五つ、六つなどは、ただおぼえぬよしをぞ啓すべけれど、「さやは、 Cけにくく、仰せ言を映えなうもてなすべき。」と、わび、くちをしがるも、をかし。知ると申す人なきをば、やがてみな読み続けて、夾算せさせ給ふを、「これは、知りたることぞかし。などかう、つたなうはあるぞ。」と言ひ嘆く。中にも、古今あまた書き写しなどする人は、みなもおぼえ Dぬべきことぞかし。 [二十段]
問1 本文中の中宮を主語とした述語には、どのような共通点があるか。その共通点を具体的に説明せよ。★★
問2 Aこれが末、いかにを「これ」の指示内容を明らかにして現代語訳しなさい。★★
問3 Bおぼゆるかはを13〜18字で現代語訳しなさい。★★
問4 Cけにくくの意味を次から選びなさい。★
ア 間延びして イ そっけなく ウ 中途半端に エ 意地悪く
問5 Dぬべきの文法上の用法を説明しなさい。★★
問6 「枕草子」の作者名・ジャンル名・成立した時代・作者が仕えた主人の名(2字)を順に記しなさい。時代は、前・中・後期まで答えること。★
advanced Q. この文章には、女房たちの興奮した、はしゃいだ雰囲気が感じられ、中宮のそばにいて楽しく過ごす作者の気持ちがうかがわれる。そうした作者の気持ちをよく表す心情語を本文中から抜き出せ。
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