源氏物語「明石の姫君の入内 2/2」(藤裏葉)   問題

 いとうつくしげに、雛のやうなる(姫君ノ)御ありさまを、(明石の君ハ)夢の心地して見奉るにも、涙のみとどまらぬは、一つものとぞ見えざりける。年ごろよろづに嘆き沈み、さまざま憂き身と思ひ屈しつる命も延べまほしう、はればれしきにつけて、まことに住吉の神も @おろかならず思ひ知らる。
 思ふさまにかしづき聞こえて、心及ばぬこと、はた、をさをさなき人のらうらうじさなれば、おほかたの寄せ・おぼえよりはじめ、なべてならぬ御ありさま・かたちなるに、宮(東宮)も、若き御心地に、いと心ことに思ひ A聞こえ給へり。いどみ給へる御方々の人などは、この母君のかくて候ひ給ふを、瑕に言ひなしなどすれど、それに消たるべくもあらず。いまめかしう、並びなきことをばさらにも言はず、心にくくよしある御けはひを、はかなきことにつけても、あらまほしうもてなし B聞こえ給へれば、殿上人なども、めづらしきいどみどころにて、とりどりに候ふ人々も、心をかけたる女房の用意・ありさまさへ、いみじくととのへなし給へり。
 上(紫の上)も、さるべき折ふしには参り給ふ。御仲らひあらまほしううちとけゆくに、さりとてさし過ぎもの慣れず、侮らはしかるべきもてなし、はた、つゆなく、あやしくあらまほしき人のありさま・心ばへなり。
 大臣(光源氏)も、長からずのみおぼさるる御世のこなたにとおぼしつる C御参り、かひあるさまに見奉りなし給ひて、心からなれど、世に浮きたるやうにて見苦しかりつる宰相の君(夕霧)も、思ひなくめやすきさまに静まり給ひぬれば、御心落ちゐ果て給ひて、今は D本意も遂げなむとおぼしなる。対の上(紫の上)の御ありさまの見捨てがたきにも、中宮(秋好中宮)おはしませば、おろかならぬ御心寄せなり。この御方にも、世に知られたる親ざまには、まづ思ひ E聞こえ給ふべければ、 Fさりともとおぼし譲りけり。夏の御方(花散里)の、時々にはなやぎ給ふまじきも、宰相のものし給へばと、みなとりどりにうしろめたからずおぼしなりゆく。
 明けむ年、四十になり給ふ。御賀のことを、 Gおほやけよりはじめ奉りて、大きなる世のいそぎなり。【藤裏葉】

問1 @おろかなら・C御参り・Gおほやけの意味を記しなさい。★

問2 ABEの敬語は誰と誰に敬意を表すものか、次に示すものから該当する記号を選び「〇と〇」という言い方で答えなさい。★★
    イ 帝  ロ 東宮  ハ 光源氏  ニ 夕霧  ホ 姫君  ヘ 紫の上  ト 明石の君

問3 D本意とは、誰がどうすることを言うものか。★★

問4 Fさりともとおぼし譲りけりとは誰がどうしたのか。指示語の指示内容を明らかにして、かつ、省略されていることを補って口語訳しなさい。★★★

問5 「源氏物語」の成立した時代・作者の名・作者が仕えた中宮とその父親の名を順に記しなさい。★





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