徒然草「あだし野の露消ゆるときなく」(第七段) 問題

 Aあだし野のつゆ消ゆるときなく、鳥部山の煙立ち去らでのみ、住み果つるならひならば、いかにもののあはれもなからん。 B世は定めなきこそ、いみじけれ
 命あるものを見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふの夕べを待ち、夏の欟の春秋を知らぬもあるぞかし。つくづくと一年を暮らすほどだにも、こよなうのどけしや。飽かず、惜しと思はば、千年を過ぐすとも、一夜の夢の心地こそせめ。住み果てぬ世に、みにくき姿を待ちえて何かはせん。命長ければ辱多し。長くとも C四十に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ。
 そのほど過ぎぬれば、かたちを恥づる心もなく、人に出でまじらはんことを思ひ、D夕べの陽に子孫を愛して、さかゆく末を見んまでの命をあらまし、ひたすら世をむさぼる心のみ深く、もののあはれも知らずなりゆくなん、Eあさましき

問1 C四十の読みをひらがなで記しなさい。

問2 D夕べの陽に、Eあさましきの意味は次のどれが正しいか、記号で答えなさい。
     D…イ 家に帰って  ロ 年老いて  ハ 夕方になって  ニ 夕方の陽だまりで  ホ 夕陽の暖かさに
     E…イ 情けない  ロ 無益だ  ハ 不届きだ  ニ 愚劣だ  ホ 疑問だ


問3 Aあだし野のつゆ消ゆるときなくについて
    @ あだし野とはどういう所として上げられているのか、10字以内で説明しなさい。
    A あだし野のつゆ消ゆるときなくという表現を修辞の観点から簡潔に説明しなさい。
    B あだし野のつゆ消ゆるときなくは、次のどこにかかるのか、記号で答えなさい。
       イ「立ち」 ロ「さら」 ハ「で」 ニ「のみ」 ホ「住み」 ヘ「はつる」 ト「習ひ」 チ「なら」 リ「ば」

問4 B世は定めなきこそ、いみじけれについて、
    @ 現代語訳しなさい。
    A その理由を「〜から。」という言い方で説明しなさい。

問5 問題本文の筆者名を漢字2字で、また、成立した時代を次から選び記号で記しなさい。
    イ 奈良  ロ 平安  ハ 鎌倉  ニ 室町  ホ 江戸  へ 明治

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徒然草「あだし野の露消ゆるときなく」(第七段) exercise

 @あだし野の露消ゆるときなく、 a鳥部山の煙立ち去らでのみ、住み果つるならひならば、いかにもののあはれもなからん。 世は定めなきこそ、いみじけれ。 命あるものを見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふの夕べを待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。つくづくと b一年を暮らすほどだにも、こよなうのどけしや。 c飽かず、惜しと思はば、 d千年を過ぐすとも、 e一夜の夢の心地こそせめ。 f住み果てぬ世に、みにくき姿を待ちえて g何かはせん。命長ければ辱多し。長くとも h四十に足らぬほどにて死なんこそ、 Aめやすかるべけれ。 そのほど過ぎぬれば、 iかたちを恥づる心もなく、人に出でまじらはんことを思ひ、 j夕べの陽に子孫を愛して、さかゆく末を見んまでの命を kあらまし、ひたすら B世をむさぼる心のみ深く、もののあはれも知らずなりゆくなん、lあさましき。【七段】

問1 a「鳥部山」とはどういう場所としてあげられているのか、5〜10字で記しなさい。

   b「一年」、d「千年」、e「一夜」、h「四十」の読みをひらがなで記しなさい。

問2 f「住み果てぬ世」、g「何かはせん」、j「夕べの陽に」l「あさましき」の意味として適当なものをそれぞれ次から選び、記号で答えなさい。

   f…ア 思いどおりには生きられないこの世   イ ついには落ちぶれた姿になるだろう人の世
     ウ 遠いきわみを望みながら生きる人の世  エ やがては最後を迎えなければならないこの世

   g…ア なぜするのだろう  イ 何かはしようと思う  ウ 何になるというのだろうか
     エ 何やかやとしてみたい

   j…ア 家に帰って  イ 年老いて  ウ 夕方になって  エ 夕方の陽だまりで

   l…ア 道徳的に許されないことだ  イ 悲しくなってしまうことだ
     ウ 驚きあきれたことだ     エ 人間の常としてしかたのないことだ

問3 c「飽かず」、i「かたち」、k「あらまし」の意味を記しなさい。活用語は言い切りの形で記すこと。

問4 @「あだし野の露消ゆるときなく」について、
   (1)修辞の観点から解説しなさい。
   (2)どこにかかっていくか。次から選びなさい。
      ア 鳥部山の煙  イ 立ち去らで  ウ 住み果つる  エ ならひならば

問5 A「めやすかるべけれ」を単語に分けて文法的に説明し、口語訳せよ。

   B「世をむさぼる心」とは、どういう意味か。わかりやすく説明せよ。

問6 『徒然草』の文章には、次の例文の傍線部の箇所のような対偶中止法がしばしば用いられている。
 走る獣は檻(おり)にこめ、くさり鎖をさされ、飛ぶ鳥は翼を切り、籠(こ)に入れられて(第百二十一段)→「檻に、こめられ、……翼を切られ、……」の意味。これと同じような対偶中止法が本文中にも用いられている。その語句を抜き出し、意味が通るように書き改めて答えよ(一箇所)。

問7 波線部「世は定めなきこそ、いみじけれ」を口語訳し(1)て、その主張の根拠になることを文意に即してまとめなさい(2)。

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