俊頼髄脳「歌のよしあし」 問題
歌のよしあしをも知らむことは、@ことのほかのためしなめり。四条大納言に、子の中納言の、「 A式部と赤染と、いづれかまされるぞ。」と B尋ね申されければ、「一口に言ふべき歌よみにあらず。式部は、『ひまこそなけれ葦の八重ぶき』とよめる者なり。いとやむごとなき歌よみなり。」とありければ、中納言はあやしげに思ひて、「式部が歌をば、『はるかに照らせ山の端の月』と申す歌をこそ、よき歌とは、世の人申すめ aれ。」と申されければ、「 Cそれぞ、人の( D )知らぬことを言ふよ。『暗きより暗き道にぞ』といへ bる句は、法華経の文にはあらずや。されば、いかに思ひよりけむともおぼえず。 E末の『はるかに照らせ』といへる句は、本にひかされて、やすくよま cれにけむ。 F『こやとも人を』といひて、『ひまこそなけれ』といへる言葉は、 G凡夫の思ひよるべきにあらず。いみじきことなり。」とぞ申されける。
問1 @ことのほかのためしなめりについて、
(1)ことのほかのためしの意味を記しなさい。★★
(2)@と言える理由を記しなさい。★★★
問2 A式部と赤染の二人の歌人の名をそれぞれ漢字4字で記しなさい。★★
問3 B尋ね申されければで使われている敬語の用法を敬語の種類と敬語の方向について説明しなさい。★★
問4 Cそれの指示内容を説明しなさい。★★
問5 空欄のDに適当な副助詞を記しなさい。★
問6 E末の『はるかに照らせ』といへる句は、本にひかされては、『拾遺集』の「暗きより暗き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月」について述べている。この歌は『法華経』の「冥きより冥きに入り、永く仏の名を聞かず。」をふまえたものである。「本」「末」とはそれぞれ何を言うものか。★★
問7 F『こやとも人を』といひて、『ひまこそなけれ』といへるとはどういうことか。わかりやすく説明しなさい。★★★
問8 G凡夫の思ひよるべきにあらず何のどういう点を言うものか。★★★
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