竹取物語「かぐや姫の昇天」2/2  問題

 (天人ガ)御衣を取り出でて(カグヤ姫ニ)着せむとす。その時に、かぐや姫、「しばし持て」と言ふ。「衣着せつる人は、 @心異になるなりといふ。物一言、言ひ置くべき事ありけり」と言ひて、文書く。天人、遅しと、 A心もとながり給ふ。かぐや姫、「 B物知らぬことなのたまひそ」とて、いみじく静かに、朝廷に御文 a奉り給ふ。あわてぬさまなり。
 「かくあまたの人を b賜ひて留めさせ c給へど、許さぬ迎へまうで来て、取り率てまかりぬれば、口惜しく悲しきこと。宮仕へ C仕うまつらずなりぬるも、 Dかくわづらはしき身にて侍れば、心得ず思しめさ dつらめども、心強く承らずなりにしこと。なめげなる者に思しめし留め eられぬるなむ、心にとまり侍りぬる。」
とて、
  今はとて天の羽衣着る折ぞ君をあはれと思ひ出で fける
とて、壷の薬添へて、頭中将呼び寄せて奉ら g。中将に、天人取りて伝ふ。中将取りつれば、ふと天の羽衣うち着せ h奉りつれば、翁をいとほし、愛しと思しつることも失せぬ。この衣着つる人は、物思ひなくなりにければ、車に乗りて、百人ばかり天人具して、昇りぬ。


問1 a奉り・b賜ひ・c給へ・h奉りの敬語について、
  (1)動詞の場合は語の意味を、補助動詞の場合は敬語の種類の名を、それぞれ答えなさい。★
  (2)誰から誰に対する敬意を表すのか、次の記号を用いて、にならってそれぞれ答えなさい( ア → イ )。★★
    ア 作者  イ かぐや姫  ウ 翁  エ 頭中将  オ 帝  カ 天人

問2 d・eられ・fける・gの助動詞の文法上の意味を記しなさい。★

問3 @心異になるについて、その様子が具体的に表現されている30字以内の個所を口語訳しなさい。★★★

問4 A心もとながり給ふについて、
  (1)口語訳しなさい。★★
  (2)この記述は天人の設定上矛盾していると考えられる。どのような点で矛盾しているか説明しなさい。★★★

問5 B物知らぬことなのたまひそについて、
  (1)口語訳しなさい。★★
  (2)かぐや姫のどういう気持ちが言葉にされているのか説明しなさい。★★★

問6 C仕うまつらずなりぬるもを、単語に区切ってその品詞名を記しなさい。★★

問7 Dかくわづらはしき身とはどういう「身」か、簡潔に説明しなさい。★★★

問8 問題本文は『竹取物語』の一節であるが、この作品のジャンル名、成立した時代、この作品を「物語の祖」と記した作品の名を順に記しなさい。★


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