臥薪嘗胆（『十八史略』） 問題
※ 問題本文はすべて横書きかつ白文です。問題に取り組む前に、予め教科書などで訓点付きの本文を読んでおいてもいいことにします。
春秋時代の後半、それまで異民族の住む未開の地であった長江の下流域に興った呉と、その南の越が力をつけ、抗争を繰り返すようになった。本文を読んで後の問いに答えなさい。
呉王闔廬。 @挙伍員謀国事。員 ａ字子胥、楚人伍奢之子。奢 ｂ誅而奔呉、 ｃ以呉兵入郢。呉伐越。闔廬傷而死。子夫差立。子胥復 ｄ事之。夫差志復讎。朝夕臥薪中、出入 A使人呼曰、「夫差、 ｅ而忘越人之殺而父邪。」
周敬王二十六年、【 B 】。越王句践、以余兵棲会稽山、 C請為臣妻為妾。子胥言、「不可。」太宰伯否受越賂、説夫差赦越。
句践反国、懸胆於坐臥、即仰胆嘗之曰、「 D女忘会稽之恥邪。」挙国政属大夫種、而与范蠡治兵、 E事謀呉。
太宰否【 F 】。夫差乃 G賜子胥属鏤之剣。子胥告其家人曰、「必樹吾墓賈。賈可材也。抉吾目、懸東門。以観越兵之滅呉。」乃自剄。夫差取其尸、盛以鴟夷、投之江。 H呉人憐之、立祠江上、命曰胥山。（「否」のヘンは「喜」、「賈」は木ヘンが正しい表記です。）
越十年生聚、十年教訓。周元王四年、越伐呉。呉三戦三 ｆ北。夫差上姑蘇、亦請 ｇ成於越。范蠡不可。夫差曰、「吾無以見子胥。」為幎冒乃死。
（［出典］『十八史略』巻一・呉 ）
問１ ａ字・ｂ誅・ｃ以・ｄ事・ｅ而・ｆ北の読みを送り仮名が必要なものはそれを含めて記しなさい。現代仮名遣いでもよい。★★
ｇ成の意味を記しなさい。★★
問２ @挙伍員謀国事・A使人呼を書き下し文にしなさい。
問３ 空欄のBには次のどれが入るか。ただし、「夫椒」は呉にある地名。★★★
イ 越于敗夫差敗 ロ 夫椒夫差敗越于 ハ 夫差敗越于夫椒 ニ 于夫差越夫椒敗
問４ C請為臣妻為妾について、
（１）すべてひらがなで書き下しなさい。★★
（２）これは端的にいうと何を言わんとしているのか。★★
問５ D女忘会稽之恥邪を書き下し文にしなさい。★★
問６ E事謀呉をすべてひらがなで書き下しなさい。★★
問７ 空欄のFには次のどれが入るか。ただし、「譖」は中傷するの意。★★★
イ 子胥謀不用恥譖怨望 ロ 不用怨望子胥譖謀恥 ハ 怨望恥謀譖不用子胥 ニ 譖子胥恥謀不用怨望
問８ G賜子胥属鏤之剣について、
（１）夫差は子胥に何を命じたのか。本文中から抜き出して答えなさい。★★
（２）（１）を命じるのに「属鏤之剣」を用いたのはどういう意図があるのか、説明しなさい。★★★
問９ H呉人憐之、立祠江上、命曰胥山で、「呉人」がそうしたわけを説明しなさい。★★★
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