漢文の基本知識

 漢文とは何を知りたい人はこちらです。

 漢文を学習するには、まずA〜Eの下の五つのことを理解し覚えましょう。

A 漢文の組み立て(語順)

基本的な語順は以下のようです。

@ 主語−述語
 花〈主語〉−開〈述語〉。    花〈主語〉 開く〈述語〉

A 主語−述語−目的語
 我〈主語〉−読〈述語〉−本〈目的語〉。   我〈主語〉 本を〈目的語〉 読む〈述語〉。

B 主語−述語−補語
 其劍〈主語〉−墜〈述語〉−於水〈補語〉。  其の剣〈主語〉 水に〈補語〉 墜つ〈述語〉。

C 主語−述語−目的語−補語
 王之臣 託〈述語〉−其妻子〈目的語〉−於其友〈補語〉而之楚遊者  王の臣に其の妻子を〈目的語〉 其の友に〈補語〉 託し〈述語〉楚に之(ゆ)きて遊ぶ者有り)。

D主語−述語−補語−目的語
主語−述語−補語−補語
 然不自意能先入關破秦、得復見〈述語〉−將軍〈補語〉−於此〈補語〉。  然れども自ら意(おも)はざりき、能く先づ関に入りて秦を破り、復た将軍に〈補語〉 此に〈補語〉 見(まみ)ゆる〈述語〉 ことを得んとは。


B 返り点

@ レ点 … すぐ上の一字に返って読む返り点

A 一・二点 … 二字以上隔てて上に返って読む返り点。

B 上・下点 … 一・二点をはさんで上に返って読む返り点。

C レ点と一・二点または上・下点の同時使用 … レ点を優先し、一・二点や上・下点の決まりに従って読む返り点。

  ※甲・乙点、天・地点も使用されますが、実際上めったに出てきません。


C 再読文字

 下のように整理して覚えましょう。

@ 将・且:「まさニ〜セントす」と読む ⇒⇒⇒ 〜つもりだ

A 当・応:「まさニ〜スべシ」と読む ⇒⇒⇒ きっと〜のはずだ
B 宜・須:「○○〜スべシ」と読む ⇒⇒⇒ 宜(よろ)しく〜べし ⇒⇒⇒ 〜するのがよい
                      須(すべか)からく〜べし ⇒⇒⇒ 〜すべきだ、〜する必要がある
C 未・猶(由)・盍:その他 ⇒⇒⇒ 未(いま)だ〜ず ⇒⇒⇒ まだ〜しない
                   猶(な)ほ〜ごとし ⇒⇒⇒ ちょうど〜のようだ
                   盍(なん)ぞ〜ざる ⇒⇒⇒ どうして〜しないのか/〜すればよい

D 助字

 文中・文末にあって、疑問・断定や接続などの意味をそえる文字。

  文の終わり…也・焉・哉・乎・
  前置し格を示す…於・于
  接続を示す…而・以
  動詞の相を示す…令・使・被

E 置き字

 訓読する時読まない助字。読みませんが、その字のはたらきは上や下の字の送り仮名で示されることが多い。ただし、文の構成や意味、日本語としての調子から、読まれる場合もあります

  而・ 於 ・乎 ・于 ・矣・ 焉 ・兮 など。

    青藍   藍より青し



 漢文は本来は中国という外国で使用されていた文語文です。学習するのが難しいわけです。しかし、日本では中国由来の漢字を使用していますし、漢文由来の語彙や故事成語や言い回しを使ってきました。その意味では、漢文学習はほかの国の人が学習すると仮定してみると分かりやすいのですが、学習し理解することが困難だというわけではありません。step by step で学習していきましょう。


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