中島敦「山月記」(前編 ) ヒント

 なんとなくあいまいに読み進めないこと。この作品は漢文訓読体で書かれていて、その独特の言い回しや語句が独自の雰囲気や味わいを作り出している。だから、その独特の語句や言い回しを正確に理解して読み進め、作品の世界を味わうことがダイジ。ヒントにある語句は教科書本文を蛍光ペンなどでマークして考える見てください。

問1 語句の意味はないがしろにしない。教科書頭脚注を軽視せず、理解しておくこと。「博学才穎」とは人並みはずれて知識が広く、頭がよいことと理解してよい。「狷介」とは意固地なこと。「自ら恃むところすこぶる厚く」の「自ら恃む」は「自恃」(自分を頼みとすること)という二字熟語の訓読表現。「自ら恃むところすこぶる厚く」で自信過剰に近い意味。また、「狂悖の性」とは、人並みはずれて人の道に外れ、わがままなことをいう。具体的なこととして、「…若くして名を虎榜に連ね(最難関の官吏登用試験に合格)…賤吏に甘んずるを潔しとしなかった(下級の役人なんかやってられないよ、ということ)…人と交わりを絶って、ひたすら詩作にふけった。」そして、「彼が昔、鈍物として歯牙にもかけなかったその連中」(友人たちを見下して、お高く留まっていたということ)などと書かれている。50字でまとめるトレーニングはすごく筋力がつく。直ぐに解答に飛ばないで、何度か読み返し、脳をフル回転させてtry!

問2 直後の段落。「…@…かつまた…A…しかし、…B…」の接続語に着目して考える。@とAは並列の関係、Bはそれらと逆接の関係にあることも押さえて。 

問3 基本読解問題。「(ちょうど)…ように」というレトリック(=修辞法)を直喩(⇒こちら)ということも知っておく。直前の一文で、「人間の心」と「獣としての習慣」が二項対立(⇒こちら)で語られている。「埋もれて」ともある。

問4 同じ段落には「人間」「人間の心」が計11回用いられていることに気づいたかな…?(本文に蛍光ペンなどでマーク)。繰り返される語語句・類似する語語句はキー・ワード、キー・フレーズ(チェック!)となることが多い。内なる人間(の心)が消失してしまうことの恐怖心が語られている。一方、内なる人間(の心)ゆえに、何を苦しむこととなると語られているのか…?本文の表現から離れないようにまとめてみよう。



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