梶井基次郎「檸檬」1/2( 〜寺町でも稀だった。)  ヒント

 本文のキー・ワード、キー・フレーズを蛍光ペンなどでマークしながら考えてね。

問1 「借金」、現在では「サラリーマン金融」とか「ローン」とか「リボ払い」などとなんだかソフトな名で呼ばれるようになり、「返済」や「取立て」もスマートに行われています。だから、「背を焼くような借金」と言われても実感が無いと思います。でも、現在だって返済を滞るとたちまち負のスパイラルに陥るし、また、違法すれすれ、そして違法そのものと言える「取立て」も存在するらしい。借金返済不能厳しい取立てにっちもさっちも行かない苦悩の図式でまとめてみてください。また、この箇所、「私」の頽廃した生活のありようも語るもの。

問2 
   1)「花火」と言うと多くの人が思い浮かべるものを否定し、「私」の美意識が語られていくというコンテクストになります。
   2)花火の「安っぽい」パッケージが「私の心を唆った」と語られていますが、これは何の具体例なのか…そしてそれと対立するものは何か…?と考えていきます。

問3 「私自身を慰めるためには贅沢ということが必要であった」と述べ、その「贅沢」とは、「二銭や三銭のもの――と言って贅沢なもの」、そして、「美しいもの――と言って無気力な私の触角にむしろ媚びて来るもの」という。「不吉な塊」に苦しめられている「私」を慰めるものです。それではそれと「対立」するもの、すなわち、「私」を苛立たせたり、我慢ならなくさせるものは何だと語られていたか…?二項対立です。

問4 着目点は二つ。第一に、「どうした譯かその店頭の周圍だけが妙に暗いのだ」と「廂の上はこれも眞暗なのだ」と暗さが二重に強調されていること。しかも、同段落で「」の漢字を使う語が繰り返し使われています。第二に、「周圍が眞暗なため、店頭に點けられた幾つもの電燈が驟雨のやうに浴せかける絢爛は、周圍の何者にも奪はれることなく、ほしいままにも美しい眺めが照し出されてゐるのだ」と、「電燈」に照らし出された店先の美しさが語られている点。これを一文にまとめることになります。TRY !

問5 問4と関連。「」が作りだす暗さの前に語られている暗さ。

advanced Q.1  問題には「どういう楽しみから」とあるので、同段落結末にある「楽しんだ」に着目。そして、「錯覚」はこの段に3箇所あり、キーワード(本文にマークしましょう)。また、「現実」がその対義語となります。段落末の「私の錯覚と壊れかかった街との二重写しである。そして私はその中に現実の私自身を見失うのを楽しんだ。」に着目。「現実の私自身」とは…?

advanced Q.2 同段落に「重苦しい」「借金取りの亡霊のように私には見えるのだった」とあると述べてあることを手がかりにします。



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