鈴木孝夫「ものとことば」   問題


 この「問題」の前に、まず、★解読鈴木孝夫「ものとことば」こちら)★を取り組んで得点大幅アップ & 国語筋力増強 !


【本文】 教科書などの本文の各形式段落の冒頭に、あらかじめ次のように記号を付してください。
 a1考えてみると
 a2私が今向かって
 a3引き出しを
 a4私が身に
 a5この調子で
 a6また自然界には
 a7名前が
 a8こんな調子で
 a9しかも
 a10たとえば
 a11こんなふうに

 b1この、ものが
 b2私たちが

 c1ところが
 c2それは
 c3また言語が
 c4この第一の
 c5私の立場を
 c6もちろん
 c7ことばが
 c8なぜならば

 d1抽象的な
 d2机には
 d3こう考えて
 d4そこで
 d5だが、人が
 d6注意してほしい
 d7人間の視点を

 e1このように

【問題】(〇段落:第〇文)
本文に、下記の該当箇所に傍線や番号・記号を書き入れてから解答してみてください。

問1 (c1:1)A「このような前提」とは具体的にはどういうものか、『…という前提』という言い方で50〜55字で記しなさい。★★★

問2 (c1:1)B「唯名論」とはここではどういう立場のことを言うものか、文中から一続きの適当な語句12字を抜き出し、『…という立場』という言い方で答えなさい。★★

問3 (e1:1)Cの「渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界」とは、机について述べてある箇所ではどこに当たるのか。本文から10字以上15字以内の一続きの箇所を抜き出しなさい。★★

問4 (e1:1)D「人間の見地から、人間にとって有意義と思われるしかたで、虚構の分節を与え、そして分類する」とあるが、問3の解答になることについては具体的にはどう「分類」されているのか、すべて記しなさい。★★

問5 (e1:2)Eの「虚構性」とここでほぼ同意義となる語を次から選びなさい。★★
        イ 欺瞞性  ロ 虚偽性  ハ 変則性  ニ 特殊性  ホ 普遍性  ヘ 恣意性


advanced Q.1 (a11:1)ものとことばは、互いに対応しながら人間を、その細かい網目の中に押し込んでいるの擬人法の言い方を、「人間は…生活していること」という言い方で分かりやすく言い換えなさい。★★★

advanced Q.2 (b2:1)同じものが、言語が違えば別のことばで呼ばれるという、一種の信念とでもいうべき、大前提の「大前提」に対する筆者の見解を述べている35字以上40字以内の一続きの箇所を本文から抜き出しなさい。★★★



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鈴木孝夫「ものとことば」   exercise

【本文】 教科書などの本文の各形式段落の冒頭に、あらかじめ次のように記号を付してください。
 a1考えてみると
 a2私が今向かって
 a3引き出しを
 a4私が身に
 a5この調子で
 a6また自然界には
 a7名前が
 a8こんな調子で
 a9しかも
 a10たとえば
 a11こんなふうに

 b1この、ものが
 b2私たちが

 c1ところが
 c2それは
 c3また言語が
 c4この第一の
 c5私の立場を
 c6もちろん
 c7ことばが
 c8なぜならば

 d1抽象的な
 d2机には
 d3こう考えて
 d4そこで
 d5だが、人が
 d6注意してほしい
 d7人間の視点を

 e1このように

【問題】(〇段落:第〇文)
 可能なら、下の設問にもとづいて本文を加工してから解答してみてください。

問1 a〜jのカタカナ部を漢字で記しなさい。

  ・ 物体の動き、人間の動作に始まって、心の動きなどという、aビミョウな( ロ )にも、いちいちそれを表すことばがある。(a7.1)
  ・ 事物の性質にも、いや事物と事物の関係にさえ、それを表す bテキセツなことばが対応しているのだ。(a7.2)
  ・ これが私たちの cソボクな、そして確たる実感であろう。(a11.2)
  ・ もちろん初めにことばがあるといっても、あたりが空々 dバクバクとしていた世界の初めに、ことばだけが、ごろごろしていたという意味ではない。(c5.1)
  ・ ことばがものをあらしめるということは、世界の eダンペンを、私たちが、ものとか性質として認識できるのは、ことばによってであり、ことばがなければ、犬も猫も区別できないはずだというのである。(c5.3)
  ・ だいいち私が今使っている机には脚がない。 fカベに板がはめ込んであって、造りつけになっている。(d2.5)
  ・ 形も、四角、円形は普通だし、部屋の gスミで花瓶などを置く三角のものもある。(d2.3)
  ・ 机を形態、素材、 hシキサイ、大きさ、脚の iウム及び数といった外見的具体的な特徴から定義する(d3.1)
  ・ 机というものをあらしめているのは、全く人間に特有な jカンテンであり、そこに机というものがあるように私たちが思うのは、ことばの力によるのである。(d7.1)



問2 d1とd6の間の空欄に、下の(あ)〜(え)の4段落(太字で表示)を適切な順序にしたものを記号で答えなさい。すべて合致したものだけを正解とします。

 d1 抽象的な議論はこのくらいにして、具体的なことばの事実から考えていくことにしよう。まず身近にあるものの例として机のことを考えてみる。机とはいったい何だろうか。D机はどう定義したらよいのだろうか。
                    空欄                      

 d6 注意してほしいことは、この長たらしい定義のうちで、人間側の要素、つまり、そこにあるものに対する利用目的とか、人との相対的位置といった条件が大切なのであって、そこに素材として、人間の外側に存在するものの持つ多くの性質は、机ということばで表されるものを決定する要因にはなっていないということである。


   (あ)そこで机とは何かといえば、「人がその上で何かをするために利用できる平面を確保してくれるもの」とでも言うほかはあるまい。ただ生活の必要上、常時そのような平面を、特定の場所で確保する必要と、商品として製作するためのいろいろな制限が、ある特定の時代の、特定の国における机を、ほぼある一定の範囲での形や大きさ、材質などに決定しているにすぎない。

   (い)机には木でできたのも、鉄のもある。夏の庭ではガラス製の机も見かけるし、公園には、コンクリートのものさえある。脚の数もまちまちだ。だいいち私が今使っている机には脚がない。 fカベに板がはめ込んであって、造りつけになっている。また一本脚の机があるかと思えば、会議用の机のように何本もあるのも見かける。形も、四角、円形は普通だし、部屋の gスミで花瓶などを置く三角のものもある。高さは日本間で座って使う低いものから、椅子用の高いものまでいろいろと違う。

   (う)だが、人がその上で何かをする平面はすべて机かといえば、必ずしもそうでない。たとえば棚は、今述べた机とほぼ同じ定義が当てはまる。家の床も、その上で人が何かをするという意味では同じである。そこで机を、棚や床から区別するために、「その前で人がある程度の時間、座るか立ち止まるかして、その上で何かをする、床と離れている平面」とでも言わなければならない。

   (え)こう考えてみると、机を形態、素材、 hシキサイ、大きさ、脚の iウム及び数といった外見的具体的な特徴から定義することは、ほとんど不可能であることがわかってくる。



問3 空欄のには下のどの語が入るか。記号で答えなさい。

    (a6.3)また自然界には、何万という鳥類や動物の種類がいる。昆虫は何十万種とも言われるし、そのうえ膨大な数の植物がある。そしてこれらはすべて(  )の名称を持っているのだ。

       あ 普通  い 固有  う 特殊  え 無数



   空欄のに文中からひらがな2字の語を抜き出して記しなさい。

      (a7.1)名前がついているのは、ものだけではない。物体の動き、人間の動作に始まって、心の動きなどという、ビミョウな(    )にも、いちいちそれを表すことばがある。事物の性質にも、いや事物と事物の関係にさえ、それを表す bテキセツなことばが対応しているのだ。



   空欄のに文中からひらがな3字の語を抜き出して記しなさい。

      (a9.1)しかもものやことの数、そしてそれに対応する(    )の数は、今述べたような事物や性質の数の、単なる総和にとどまらない。



   空欄のには下のどの語が入るか。記号で答えなさい。

      (a11.1)ジェット機になれば、部品の数は一ケタ上がるという。さらに(    ) なことに、これらの部品の一つ一つは、当然のことながら、いろいろな物質から成る材料からできていて、それも全部名前があるという具合に、どんどん細かくなっていく。

         あ 便利  い 不思議  う 奇妙  え 面倒



   ホ初めにことばありきはなんという書物からの引用か。漢字4字で答えること。

      (c4.1)私の立場を、一口で言えば、「 ホ初めにことばありき」ということに尽きる。



   ヘ虚構性とここでほぼ同意義となる語句を次から選び、記号で答えなさい。

     (e1.2)言語とはたえず生成し、常に流動している世界を、あたかも整然と区別された、ものやことの集合であるかのような姿の下に、人間に提示してみせる ヘ虚構性を本質的に持っているのである。

         あ 欺瞞性  い 虚偽性  う 変則性  え 特殊性  お 普遍性  か 恣意性



問4 @森羅万象と同じ意味となる5字からなる一続きの語句を文中から抜き出しなさい。

    (a11.2)名のないものはない。「 @森羅万象には、すべてそれを表すことばがある。」これが私たちのソボクな、そして確たる実感であろう。



   Aの「大前提」に対する筆者の見解を述べている35字以上40字以内の一続きの箇所を本文から抜き出しなさい。

     (b2.1)私たちが学校で外国語を勉強するときや、辞書を引いて、日本語のあることばは、外国語では何と言うのかを調べるときは、この A同じものが、言語が違えば別のことばで呼ばれるという、一種の信念とでもいうべき、大前提をふまえているのである。



   Bはどういう「問題」なのか。本文から該当する15字以内の一続きの箇所を抜き出しなさい。

    (c3.1)Bこの第一の問題は、哲学では唯名論と実念論の対立として、古くから議論されてきているものである。



   Cその窓の大きさ、形、そして窓ガラスの色、屈折率は何の比喩なのか、本文から抜き出しなさい。

    (c7.2)今、ことばは人間が世界を認識する窓口だという比喩を使ったが、Cその窓の大きさ、形、そして窓ガラスの色、屈折率などが違えば、見える世界の範囲、性質が違ってくるのは当然である。



   (d1.3)D机はどう定義したらよいのだろうか。について。結局どのように定義してあるのか。文中から一続きの箇所を抜き出し、最初と最後の5字をそれぞれ抜き出して答えなさい。句読点も字数に数える。





   (e1.1)E「渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界」とは、机について述べてある箇所では何に当たるのか、本文から10字以上15字以内の一続きの箇所を抜き出しなさい。



   (e1.1)F人間の見地から、人間にとって有意義と思われるしかたで、虚構の分節を与え、そして分類するとは、机について述べてある箇所ではどのような分類が例としてあげてあるのか、本文からすべて抜き出しなさい。

    (e1.1)このようにことばというものは、 E渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界に、 F人間の見地から、人間にとって有意義と思われるしかたで、虚構の分節を与え、そして分類する働きを担っている。



問5 Aの擬人法での言い方を、「人間は…生活していること。」という言い方で言い換えなさい。

    (a11.1)こんなふうに、 Aものとことばは、互いに対応しながら人間を、その細かい網目の中に押し込んでいる



   Bはどういうことか。「海(ウミ)」という言葉を使って、わかりやすく説明しなさい。

    (c7.3)Bそこにものがあっても、それをさす適当なことばがない場合、そのものが目に入らないことすらあるのだ。



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