安部公房「棒」  問題

【本文】 本文を下の算用数字で示す段落でとらえます。各段落の冒頭に、あらかじめ次のように数字を書き入れてください。

 1むし暑い、ある六月の
 2上の子供が、怒ったような
 3やっと一人の学生が私に
 4まず右側の学生が私を
 5「でも。」と右側の学生が未練
 6二人の学生は、それぞれ、
 7学生の一人が、ふと思い出した
 8「父ちゃん、父ちゃん、父ちゃん……」という叫び

【問題】(第□段落・第〇段・第△文など)  (『「…。」と言った。』のようなケースは、一文とカウント。)
  本文に、あらかじめ下記の( □ . 〇. △)の該当箇所に傍線や記号などを書き入れてから解答してみてください。

問1 (1.3.2)A特別なことではなかったについて、
  1. 具体的にはどういう行為についてそう言っているのか。★★
  2. その行為の背後にはどういう心理があるのか。★★★

問2 (2.1.1)Bと(2.2.3)Cの「父ちゃん。」の背後にある心理の違いが分かるように説明しなさい。★★★

問3 (2.3.4)Dそことは具体的にはどこか。★★

問4 (2.5.2)E最初の実習とあるが、具体的には何をすることなのか。★★★

問5 (4.8.3)F同じことを違った表現で言っているのにすぎないで、「同じこと」とは具体的にはどういうことか。★★

問6 (5.3.3)G量的な意味よりも、むしろ質的な意味とは、ここでは分かりやすく言うとどういうことか。★★

問7 (6.3.5)H裁かぬことによって裁いたことになるで、「裁かぬことによって裁」くとはどうすることか。★★

問8 (8.1.3)I 明るい青この雑踏の中の、何千という子供たちの中には、父親の名を叫んで呼ばなければならない子供がほかに何人いたって不思議ではないと言えるのはなぜか、この小説の全体を思い出して分かりやすく説明しなさい。★★★

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安部公房「棒」  exercise

【本文】 本文を下の算用数字で示す段落でとらえます。各段落の冒頭に、あらかじめ次のように数字を書き入れてください。

 1むし暑い、ある六月の
 2上の子供が、怒ったような
 3やっと一人の学生が私に
 4まず右側の学生が私を
 5「でも。」と右側の学生が未練
 6二人の学生は、それぞれ、
 7学生の一人が、ふと思い出した
 8「父ちゃん、父ちゃん、父ちゃん……」という叫び

【問題】(第□段落・第〇段・第△文など)  (『「…。」と言った。』のようなケースは、一文とカウント。)
  本文に、あらかじめ下記の( □ . 〇. △)の該当箇所に傍線や記号などを書き入れてから解答してみてください。

一       /70

問1 次のdgijkのカタカナを漢字で記しなさい。

  ・(1.3.4)仕事を dジャマされでもしたように叱りつけて、

  ・(1.4.3)私は gミョウにいらだたしく、

  ・(2.2.5)iカワいた鋭い音を立てて跳ね返り、

  ・(2.3.1) jギョウギよく並んでいた

  ・(2.3.3) kコウフンし、こぶしを振り上て

問2 ・(1.2.1)「私は、a人込みに埋まった駅前のデパートの屋上で、二人の子供の守をしながら、」のaの意味するものに最も近い言葉を、段落「1」「2」の本文中から抜き出せ。

   ・(1.2.1)b「腫れぼったくむくんだような街」に使われているレトリックの名称を答えよ。

問3 空欄のcefh入る適当な語をそれぞれ後の太字選択肢の中から選び、記号で答えよ。

  ・(1.3.2)(    )、特別なことではなかったと思う。

  ・(1.4.1)(    )、少々、後ろめたい楽しみかもしれない。

  ・(1.4.2)だからといって、(    )、問題にするほどのことだろうか。

  ・(2.1.3)(    )、ふわりと体が宙に浮き、「父ちゃん。」という叫び声を聞きながら、私は墜落し始めた。

    ア ことさら  イ しかし  ウ むろん  エ ところが  オ つまり

問4 (1.4.1)「(  e  )、少々、@後ろめたい楽しみかもしれない。」で、@は何のためどうしていたのをそう言っているのか説明しなさい。

問5 ・(2.1.1)「A上の子供が、怒ったような声で、「父ちゃん。」と叫んだ。」で、Aの「上の子供」はなぜ「怒ったような声で」叫んだのか、説明しなさい。

   ・(2.2.2)「「父ちゃん。」と 【 B 】度目の叫び声がした。」のBの空欄に漢数字を記しなさい。

   ・(2.2.4)「 C下の歩道の雑踏がさっと動いて割れ目ができた。」について、Cは分かりやすく言うとどういうことをそう表現しているのか。

   ・(2.2.5)「カワいた鋭い音を立てて跳ね返り、並木に当たって、歩道と車道の間の溝のくぼみに【 D 】。」のDの空欄に入る最も適当な言葉を、本文中から八字以内で抜き出せ。

   ・(2.3.1)「屋上の手すりに、 E血の気の失せた私の子供たちの小さな顔が、ギョウギよく並んでいた。」のEについて、「子供たち」がそうなったのはなぜか説明しなさい。

   ・(2.3.2)「入り口に頑張っていた守衛が、 Fいたずら小僧どもを厳重に処罰することを約束して、駆け上っていった。」について、Fで「処罰する」理由は何か、分かりやすく記しなさい。

問6 (1.2.1)「デパートの屋上」の「私」の心理はどういうものであったと思われるか、分かりやすく説明しなさい。



二       /70

問1 傍線部a〜fのカタカナを漢字に改めよ。

  ・(3.1.3)aセタケから、顔つきから、帽子のかぶり方まで、

  ・(3.2.1)何か残念そうな bクチョウで言った。

  ・(3.4.2)駅前の広場に出、ベンチを cサガしたがどれもふさがっているので、

  ・(3.4.8)指先につけた唾で dシメして押さえつけ、

  ・(4.1.3)筒にした手の中に私を eスベらせながら、

  ・(4.9.2)(  D  )二つの君たちが言い合っているのを見るのは、実に fユカイだ。

問2 「先生は〈  〉うなずき、指先につけた唾でシメして押さえつけ、何事もなかったように両側の学生を顧みて言った。」のAにあてはまる言葉として最も適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。

     ア 大きく  イ 小さく  ウ 静かに  エ ちょっと

問3 〈 〉のに入る最も適当な言葉をそれぞれ後の太字選択肢の中から選び、記号で答えよ。

   ・(4.1.1)「〈  〉右側の学生が私を受け取って、いろいろな角度から眺め回した。」

   ・(4.1.3)「〈  〉、この棒が、ただ道端に捨てられていたものではなく、何か一定の目的のために、人に使われていたということを意味すると思います。」

   ・(4.1.3)「〈  〉、この棒は、Bかなり乱暴な扱いを受けていたようだ。」

   ・(4.1.3)「しかも捨てられずに使い続けられたというのは、〈  〉この棒が、生前、誠実で単純な心を持っていたためではないでしょうか。」

     ア おそらく  イ これは  ウ まず  エ しかし  オ すると

問4 ・(3.3.3)「これでも、君たちには、 @けっこういい研究材料だ。最初の実習としてはおあつらえ向きかもしれない。」の@と最も近い内容を表現している語句を、本文中から七字で抜き出せ。

   ・(3.4.4)「すると、 A私は妙なことに気づいた。」のAは具体的にはどういうことに気づいたのか。本文中の言葉を用いて説明せよ。

   ・(4.1.3)「〈 D 〉、この棒は、Bかなり乱暴な扱いを受けていたようだ。」のBとは、具体的にはどういうことか説明しなさい。

   ・(4.4.4)「 C棒なら、猿にだって使えるんです。」のCから、「左側の学生」のどういう気持ちが読み取れるか。簡潔に記しなさい。

問5 空欄DGに文意が通じるよう、Dには漢字1字、Gには漢字2字を記しなさい。

   ・(4.9.2)「(  D  )二つの君たちが言い合っているのを見るのは、実にユカイだ。」

   ・(5.2.2)「逆に(  G  )すぎる場合だってあるのさ。」

問6 ・(4.9.3)「しかし、君たちは、 E同じことを違った表現で言っているのにすぎないのさ。」のE「同じこと」とは具体的にはどういうことか、文中から20〜25字で抜き出して答えなさい。

   ・(5.1.1)「F棒であり得たという、特徴は認めてやらなければならないのではないでしょうか。」で、F「棒であり得たという、特徴は認めてやらなければならない」と思う理由は何か記しなさい。



三       /70

問1 a〜eのカタカナを漢字に改めよ。

   ・(5.4.1)「こんな棒にまで、罰を加えなけりゃならないんでしょうか。」と右側の学生が困ったように aタズねた。
   ・(6.1.4)次に、その絵を消し始めた。消し終わって、立ち上がり、ずっと遠くを見るような bヒョウジョウで、つぶやくように言った。
   ・(6.2.2) cコウギのときに習った覚えがあるだろうと思うが…… 
   ・(6.3.5)もし、全部の死人を、同じように裁かなければならなくなったりしたら、我々は dカロウのために消滅せざるを得ないでしょう。
   ・(6.3.3)だれかが拾って、eセイゼンと全く同じように、棒としていろいろに使ってくれることだろう。

問2 〈 〉は、対義語になる漢字一字の言葉である。それぞれ答えよ。

   (5.3.3)棒がありふれているというのは、〈  〉的な意味よりも、むしろ〈  〉的な意味で言っているのだ。数学者たちが、もう、三角形の性質をとやかく言わないのと同じことさ。

問3 (5.2.2)「逆に @平凡すぎる場合だってあるのさ。つまり、あまりありふれているので、とくに取り上げて研究する必要を認めないこともある。」の@と同意義となる表現を抜き出しなさい。

   (5.3.1)「学生たちは、 A思わず、申し合わせたように顔を上げて周囲の雑踏を見回した。」について、Aのようにした心理を説明しなさい。

問4 (6.1.1)「B二人の学生は、それぞれ、じっと考え込んでしまった。先生は、私を取って、地面に何かいたずら書きを始める。抽象的な意味のない図形だった」について、Bで、「学生」と「先生」はどういう対比になっているのか、簡潔に説明しなさい。

   (6.2.2)「コウギのときに習った覚えがあるだろうと思うが…… C裁かないことによって、裁かれる連中……」で、Cとは、具体的にはどうされることか。10字で記しなさい。

問5 (6.3.3)「ところが、人間の数に比べて、 D我々の数はきわめて少ない。」でD「我々」とは、だれのことか。次の中から適当なものを一つ選び、記号で答えよ。

    ア 不死の人  イ 好都合な連中  ウ 裁く者  エ 裁かれる者

問6 (6.3.5)「幸い、 Eこうした、裁かぬことによって裁いたことになる、好都合な連中がいてくれて……」E「こうした」の指示内容を、本文中から二五字以内で抜き出せ。

   (8.1.3)F「この雑踏の中の、何千という子供たちの中には、父親の名を叫んで呼ばなければならない子供がほかに何人いたって不思議ではない。」と言えるのはなぜか、この小説の全体を思い出して分かりやすく説明しなさい。

問7 この文章の作者である安部公房の作品を次の中から一つ選び、記号で答えよ。

  ア 三四郎  イ 舞姫  ウ 歯車  エ 砂の女

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