久しく隔たりて会ひたる人の、わが方にありつること、数々に残りなく語り続くるこそ、 Aあいなけれ。隔てなく慣れぬる人も、ほど経て見るは、はづかしからぬかは。つぎさまの人は、あからさまに立ち出でても、今日ありつることとて、息もつぎあへず語り興ずるぞかし。よき人の物語するは、人あまたあれど、一人に向きて言ふを、おのづから人も聞くにこそあ( B )。よからぬ人は、たれともなく、あまたの中にうち出でて、見ることのやうに語りなせば、みな同じく笑ひののしる、いとらうがはし。をかしきことを言ひてもいたく興ぜぬと、興なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、品のほど計られぬべ( C )。
人のみざまのよしあし、才ある人はそのことなど定め合へるに、おのが身をひきかけて言ひ出でたる、Dいとわびし 。
問1 Aあいなけれについて、次の問いに答えよ。
(1)「あいなけれ」の意味として適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。★
ア 思いやりがない イ 分別がない ウ つまらない エ 恥知らずだ
(2)「あいなけれ」と作者が言ったのはなぜか、説明しなさい。★★★
問2 空欄B、Cにあてはまる文字を次の中からそれぞれ選び、記号で答えよ。★
B ア らむ イ り ウ る エ れ オ し
C ア かれ イ き ウ けれ エ し オ れ
問3 Dいとわびしについて、作者がそのように感じた理由として適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。★★
ア 自己中心的で尊大な人がきらいだから。
イ 自分の気持ちがだれからも理解されないから。
ウ 万事控えめでもの静かな人が好きだから。
エ とかく大げさなことを言う人はうそつきだから
オ 客観的な視点に欠けると感じるから。
問4 問題本文の筆者名を漢字2字で、また、成立した時代を次から選び順に記しなさい。★
イ 奈良 ロ 平安 ハ 鎌倉 ニ 室町 ホ 江戸 へ 明治
徒然草「久しく隔たりて会ひたる人の」 解答用紙(プリントアウト用) へ
現代文のインデック | 古文のインデックス | 古典文法 | 漢文 | トップページ |
---|