大鏡「道長と隆家(隆家と道長)」 問題

 入道殿(道長)の土御門殿にて御遊びあるに、「かやうのことに、権中納言(隆家)のなきこそ、なほ【  】。」とのたまはせて、 Bわざと御消息聞こえさせ給ふほど、杯あまたたびになりて、人々乱れ給ひて、紐おしやりて候はるるに、この中納言参り給へれば、うるはしくなりて、居直りなどせられければ、殿、「とく御紐解かせ給へ。こと破れ侍りぬべし。」と仰せられければ、かしこまりて逗留し給ふを、公信卿、後ろより、「解き奉らむ。」とて寄り給ふに、中納言御【  】あしくなりて、「隆家は不運なることこそあれ、そこたちにかやうにせらるべき身にもあらず。」と、荒らかにのたまふに、人々御けしき変はり給へる中にも、今の民部卿殿(源俊賢)は、うはぐみて、人々の御顔をとかく見給ひつつ、「こと出で来 Dなむず。いみじきわざかな。」とおぼしたり。
 入道殿、うち笑はせ給ひて、「今日は、かやうのたはぶれごと侍らでありなむ。道長解き奉らむ。」とて、寄らせ給ひて、はらはらと解き奉らせ給ふに、「これらこそあるべきことよ。」とて、 御けしき直り給ひて、さし置かれつる杯取り給ひて、あまたたび召し、常よりも乱れ遊ばせ給ひけるさまなど、あらまほしくおはしけり。殿もいみじうぞ Eもてはやし聞こえさせ給うける。

問1 空欄は「さうざうし」を適当な形にしたものとなる。それを記しなさい。また、「さうざうし」の文中での意味を記しなさい。★

問2 Bわざと御消息聞こえさせ給ふとは、誰が何をしたのか、簡潔に説明しなさい。★★★

問3 空欄に、文意が通るように文中から適当な名詞の語を選んで記しなさい。★★

問4 Dなむずを文法の観点から説明しなさい。★★

問5 Eもてはやし聞こえさせ給うについて、
   (1) 「もてはやし」の文中での意味を(言い切りの形で)記しなさい。★
   (2) 「聞こえさせ給う」について、使われている敬語の種類と、誰に敬意を表すものか(人物は実名を使うこと)説明しなさい。。★★

問6 
  (1)「大鏡」と対比される同時代の歴史物語は何か。★
  (2)「大鏡」に続く「鏡物」を時代順に三つ記しなさい。★

advanced Q. 御けしき直り給ひてについて、隆家がそうなったのはなぜだと考えられるか。簡潔に説明しなさい。

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