史記「韓信」2/2(信數與蕭何語…。)  問題


  紀元前206年、秦の滅亡後、韓信は項羽の下から離れ、漢中に左遷された漢王劉邦の元へと移る。しかし、ここでも連敖(接待係)というつまらぬ役しかもらえなかった。
  ある時罪を犯し、同僚13名と共に斬刑に処されそうになった。たまたま劉邦の重臣の夏侯嬰がいたので、「漢王は天下に大業を成すことを望まれないのか。どうして壮士を殺すような真似をするのだ」と訴え、韓信を面白く思った夏侯嬰は、韓信を劉邦に推薦した。
  劉邦はとりあえず韓信を治粟都尉(兵站官)としたが、韓信に対してさほど興味は示さなかった。自らの才能を認めて欲しい韓信は、漢軍の兵站の責任者である蕭何と何度も語り合い、蕭何は韓信を異才と認めて劉邦に何度も推薦するが、劉邦はやはり受け付けなかった。
  本文は韓信と蕭何が語り合うところから始まる。本文を読んで後の問に答えなさい。

 信數ゝ與蕭何語,何奇之。至南鄭,諸將行道亡者數十人。信度、「何等已數ゝ言上,上不我用。」即亡。何聞信亡,不及以聞,自追之。人有言上。曰、「丞相何亡。」上大怒, A如失左右手。居一二日,何來謁上。上且怒且喜,罵何曰、「若亡,何也。」何曰、「臣不敢亡也。臣追亡者。」上曰、「若所追者誰。」曰、「韓信也。」上復罵曰、「諸將亡者以十數,公無所追。追信詐也。」何曰、「諸將易得耳。至如信者, @國士無雙。王必欲長王漢中,無所事信。 B必欲爭天下,非信無所與計事者。顧王策安所決耳。」王曰、「吾亦欲東耳。 C安能鬱鬱久居此乎。」何曰、「王計必欲東,能用信,信即留。 D不能用,信終亡耳。」王曰、「吾為公以為將。」何曰、「雖為將,信必不留。」王曰、「以為大將。」何曰、「幸甚。」


 於是王欲召信拜之。何曰、「王素慢無禮。今拜大將如呼小兒耳此乃信 A所-以去也。王必欲拜之,擇良日齋戒、設壇場具禮,乃可耳。」王許之。諸將皆喜,人人各自以為得大將。至拜大將,乃韓信也,一軍皆驚。


 信拜禮畢上坐。王曰、「丞相數ゝ言將軍,將軍何以教寡人計策。」信謝因問王曰、「今東 ※向爭權天下,豈非項王邪。」漢王曰、「然。」曰、「大王自料、勇悍仁彊 B孰-與項王。」漢王默然良久。曰、「不如也。」信再拜賀曰、「惟信亦為大王不如也。然臣嘗事之。請言項王之為人也。項王 ※暗悪叱咤,千人皆廢。然不能任-屬賢將,此特(  C  )之勇耳。項王見人、恭敬慈愛,言語嘔嘔。人有疾病,涕泣分食飲、至使人有功當封爵者,印 ※玩敝,E忍不能予。此所謂(  D  )之仁也。項王雖霸天下而臣諸侯,不居關中而都彭城。有背 ※義帝之約。而以親愛王諸侯不平。諸侯之見項王遷逐義帝置江南,亦皆歸逐其主、而自王善地。項王所過、無不殘滅者。天下多怨,(  E  )不親附。特劫於威彊耳。名雖為霸,實失天下心。故曰、『其彊易弱』。(下に続く)

   ※向…本来は「郷の下に向」の漢字。    ※暗悪…本来の漢字は、「口ヘンに音」と「口ヘンに悪」の漢字。
   ※義帝之約…最初に咸陽を占領した者を秦の王とするとした義帝との約束。
   ※玩敝…「玩」は本来は「元にツクリがリ」の漢字。


(上からの続き)今大王誠能反其道、任天下武勇,何所不誅。以天下城邑封功臣,何所不服。 F以義兵從思東歸之士,何所不散。且三秦王為秦將。將秦子弟數?矣。所殺亡不可勝計。又欺其衆降諸侯,至新安,項王詐 ※抗秦降卒二十餘萬,唯獨邯・欣・翳得脱。秦父兄怨此三人,痛入骨髓。今楚彊以威王此三人,秦民莫愛也。大王之入武關,秋豪無所害,除秦苛法,與秦民約,法三章耳。秦民無不欲得大王王秦者。於諸侯之約,大王 G當王關中,關中民咸知之。大王失職入漢中,秦民無不恨者。今大王舉而東,三秦可傳檄而定也。」於是漢王大喜,自 F以為得信晩。遂聽信計,部署諸將所撃。【淮陰侯列傳第三十二】

   ※抗…本来は「土ヘンに抗のツクリの文字」で、穴埋めにして殺すという意。

問1 @國士無雙の意味を簡潔に記しなさい。★

    A所-以、B孰−與、F以為をすべてひらがなで訓読しなさい。★★

問2 CDEの空欄に、次の熟語から適当な者を選んで記しなさい。★★
      【 百姓  無比  匹夫  空論 婦人 】

問3 A如失左右手について、(1)訓点を考えて書き下しなさい。★★(2)どういうことの比喩表現になっているのか、わかりやすく説明しなさい。★★

問4 B必欲爭天下,非信無所與計事者、C安能鬱鬱久居此乎、D不能用、E忍不能予、F以義兵從思東歸之士,何所不散、G當王關中を訓点を考えて書き下しなさい。★★★

問5 韓信の項羽についての評価を5点でまとめなさい。ただし、否定的な側面をできるだけ簡潔に(1点30字以内を目安に)記すこと。★★




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